2016年5月25日水曜日

『西小山のどこか』

西小山のどこか
 
さて、これは何でしょう?
答え
 
白熱電球の、ガラスの球殻です。
 
 
 
時々買い出しで通る道なりで
 
お天気の良い日だけお目に掛かれる光景でして
 
普段ぼーっと歩いていますが、
 
ここだけはつい、今日は外に置いていないかなとチェックしてしまいます。
 
なんだかシャボン玉みたいじゃないですか?
 
 
 
そういえば
 
その昔、この辺りには下請け町工場がたくさんあったのだと
 
常連のおばあちゃんが言っていました。
 
確かに、住宅街の中にポツンとあったりしますね。



 
 昭和初期

空襲で焼け野原になってしまった西小山周辺

その後
 
町工場が立ち並び
 
再び花街が栄えて
 
料亭があって、芸者さんがいて

なんて
 
そんな話もおばあちゃん達の気まぐれに聞くけれど
 
昭和50年頃には花街はなくなり
 
バブルも弾け
 
去年、町工場のおじいちゃんはとうとう引退したと
 
そう言ってコーヒーを飲み
 
新参者の私には
 
なんだか映画かドラマの話を聞いているような気分で
 
時々果たしてここが現実なのかどうか
 
あやふやな気持ちにさえなってしまいます。
 
 
でもいつか、
 
このガラスのシャボン玉も見れなくなる日が来るのかと
 
そう思うと急に切なくなって
 
都合良く、西小山の住民になった気分でいるのです。


 
 
まぁ勝手なもんです。